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ちょこっと話「相続」

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突然ですが質問です。
相続で家庭裁判所に持ち込まれ争われる案件のうち、相続税がかからない遺産5,000万円以下のケースはどのくらいでしょう。

  1. 4人に1人
  2. 4人に2人
  3. 4人に3人

正解は・・・3番の4人に3人です!
下記のグラフをご覧ください。

家庭裁判所に持ち込まれる案件のうち、財産額が5000万円以下のケースが75%を占めているのです。5000万円なんて、マイホームとちょっとした預金等でそのくらいになります。
財産が少ない人ほどもめやすい、とも言えますね。
これが現実です。

相続は相続税がかかる人だけの問題ではない

世の中で、いわゆるお金持ちといわれる人の割合は諸説ありますが約5%前後と言われています。これは相続税のかかる人と同じくらいの割合でもあります(基礎控除額が引き下げられましたので今後はもう少し増えますが)。
いずれにせよ、『相続税問題』が深刻な人はそれほどいないことになりますよね。
でも、『争続問題』は年々増えているのが現実です。
家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割協議の件数だけ見ると、昭和60年代と比べ、2倍以上に増えているそうです。

なぜ遺産が少ない人ほどもめるの?

遺産が少ない人がもめるケースにはいくつかあります。まず、相続税がかかる人はそれほど多くはないとお話ししました。裏を返せば、相続税の対策をする必要がない人が圧倒的に多いという事です。つまり、お金持ちのように生前に相続税対策をする意識があまりありません。本人もさることながら、相続する子どもたちも、『うちはそんなに資産があるわけでもないし・・・』と高を括ってるので、そんな話を家族ですること自体少ないと言えます。
また、遺産が多くない人は決まってマイホームが一番の財産になるケースが多く、財産の分割がとても厄介なのです。事前に生命保険などで相続が発生した際に、長男には家を、長女には生命保険金を、といった対策を取っていればいいのですが、ほとんどのケースではマイホームに少しばかりの現預金・・・といったケースが多く、結果もめる一因となっています。さらにこれは経験上のお話しとなりますが、『遺産がすくない人ほど、遺産をもらう人はお金や財産を必要としている』ということです。不思議な話ですが意外にもこの法則は当てはまります。相続が発生するタイミングが、幸か不幸か、ちょうど相続する人の子どもの教育資金や住宅ローンなど、お金のかかる時期に多いのも要因なのかもしれませんね。

認知症や介護の問題が相続を『争続』に

日本では、医療の進歩などによりこれから平均寿命はますます伸びると言われています。
2060年には、男性84.19歳、女性は90.93歳まで平均寿命が伸びると予想されています。
(2012年厚生労働省発表)
この『長生き』がこれからの相続には大きな影響を与えそうです。

ある例をご紹介します。

認知症になった母を仕事で忙しい兄の代わりに長女が献身的に介護されていました。そんなある時、母がいいました。『子どもはあなただけ、わたしの財産は少ないけど全部あなたのもの』。決して見返りを求めての介護ではなかったのですが、長女は母の気持ちがうれしく、ある時ポロっと兄にその話をしました。すると長男が『それ俺にも言ってた・・』
母に悪気はなかったのですが、結果、認知症ゆえに招いた兄妹の溝・・・
この後、母の介護をしていた事を主張する長女と、法定相続分、遺留分を主張する兄とで泥沼化したそうです。

エンディングノート

このように、うちは財産が少ないから大丈夫!・・・と安易に考えず、ある時期がきたら一度は真剣に向き合うことも大切かもしれませんね。遺言はちょっと堅苦しいしそこまでは、と言うことなら、心の遺言と言われているエンディングノートを活用してみるのをおススメします。大切な家族、心の負の遺産を残さないようにしたいものです。

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